渡渉

アッパーレイ・レイク Mile 793.2のアウトレットを渡るハイカー
ログ(丸太の橋) ロック・クリーク Mile 760.6
ティンダール・クリーク Mile 774.8の急流 0.5 Mile 上流を渡る 7月2日
ティンダール・クリークの渡渉ポイント 水深は50センチ、流れは速く足がしびれるくらい水は冷たい
ライト・クリークのログはトレイルから0.5 Mile 下流にあった。水中にあるログを渡ることもあった。

渡渉は、歩いて川を渡ること。渡渉のレベルも様々で、靴をはいたまま渡れることもあれば、腰まで水につかることもある。丸太や飛び石があれば、濡れなくて済むが、靴が濡れると大変なので、たいていのハイカーは、はだしになるかサンダルに履き替える。乾きやすいランニングシューズのハイカーは、靴のまま水にはいってしまう。こうすれば、靴をぬいだり、足を拭いたりする手間がはぶけて便利だ。

川の水は足がしびれるくらい冷たいし、川底は滑りやすい。流れが早ければ足を取られて転べば、流されてしまうこともある。

2017年の大雪のシーズンは、どのクリークも渡渉が困難か危険な状態だった。危険な渡渉を避けるためハイカーは互いに渡渉ポイントの情報を交換した。レンジャーステーションの前にも、渡渉ポイントを掲示してあった。例えば、「ロック・クリークにログがある」と聞けば、近くのログを探す。親切な情報だったら「ライト・クリーク ログ 0.5マイルダウンストリーム(下流)」と教えてくれる。ティンダール・クリークは、「ハーフ・マイル アップストリーム」と聞いたので、そこにログでもあるのかと思ったら、流れが3つに分かれていて、そのために流れが遅いということだった。ただ、そこでも渡渉は簡単ではなかった。膝上くらいの水量で、流れがかなり早く、水が冷たく途中で足の感覚がなくなった。渡り終わったときは、疲れ果てていた。

アローヘッド・レイクでは、レンジャーが「アローヘッド・クリーク(湖の下流)はとても速く、いくつもの小滝より高い。アローヘッドの上の湖のインテイク(取り入れ口)を渡るように。50ヤード(45m)インレット(流入口)より上」と掲示してくれていた。行ってみると、確かに流れは遅いが、背丈くらい深かった。泳ぐしかないと思ったが、水面下50cmのに沈んだログがあったので、その上を横歩きで渡った。かなり緊張した場面だった。

転んだのは、次のボクサー・クリーク。レンジャーの掲示には、「速い白波の水がバスケットボールサイズの岩の上を越えている」と書いてあった。横歩きになり、ストックを突きながら渡渉に挑戦した。水は、水深は腰より下だが、脚にぶつかったしぶきが顔までかかる。途中で足の感覚がなくなり、歩幅を広くとったところで、バスケットボールサイズの岩に片足を取られ、転んでしまった。すぐに起き上がろうとしても、水圧に押さえつけられて、なかなか立ち上がれなかった。転んだ時の体の向きが、流れと平行だったからよかったが、もし、横向きに転んだら、立ち上がれなかったかも知れない。急流での渡渉時に、上流を向いて横歩きをするのは、このためだったのかと思った。

体もバックパックも水に浸かったが、パックの中身はシールド(ジップロックなどで防水)してあったので、濡れたものはなかった。スマートホンは防水のモデルだったので、難を逃れたが、電話を湖に落としてビショップまで買いに行ったハイカーもいた。

2017年の私のプランは、コットンウッド・パスからツオルムン・メドウスまでのJMTであったが、この先に更に困難(危険)な渡渉があることを聞いていたので、ここで引き返し、キアサージ・パスからインデペンデンスに出ることにした。

油断大敵
水の多少や流れの速さに関わらず、渡渉時は気を付けなればならない。ある夏、サンディ・メドウで腕に添え木をしたJMTハイカーに会った。彼は、近くのクリークで足を踏み外して転倒し腕を骨折したらしい。彼が転んだというクリークは、水溜まりのような浅いクリークだった。靴を履いたままでも渡れるし、滑りやすい石も、飛び石もない。何も問題がないところでも、ちょっとした油断と運の悪さが重なると大けがをすることもある。