7月8日にダンスミューアからリ・スタート。2~3日は天候に恵まれず、青空が広がる時もあるが、時々雨または霧で、どんよりと雲った日が多かった。そんなある日、 Mile 1537.2の泉Toad Springで会ったハイカーが水を飲みながら私たちに言った。「信じられるかい?俺たちはまだカリフォルニアにいるんだぜ」私たちも彼に同意した。出発して3か月が過ぎたし、ミッドポイントも過ぎた。それなのに、まだカリフォルニアを抜けない。カリフォルニアのトレイルは全体の5分の3で、長いことは十分知っている。しかし、この辺りを歩くハイカーはみな「もうカリフォルニアは十分だ」という焦りを感じている。トレイルもバーニィ・フォールズまでストレートに北上していたが、ダンスミューアから西に向きを変え、それが大回りをしているように感じる。ランドマークにしてきたラッセンは過ぎ、シャスタは近いはずなのによく見えない。風景は単調で天候も曇りがち。そんな条件が重なり「まだカリフォルニアだ」と、気分は低下する。ハイカーのだれもが早くオレゴンに入りたいと思う。そのオレゴンの州境へは、まだ160 Mile あった。
Enjoy Now
そんな中、気分を変えてくれたのが、「Enjoy Now」の落書き。3号線を渡り、キャンプグラウンドを過ぎて丘を登る途中にあったPCTの標識にだれかが書き込んだものだ。「今を楽しもう!」単調なトレイルに退屈していた私たちの気持ちを高めてくれた。