ハットクリーク・リム

ハットクリークリムのトレイル
ラッセン火山 右側は最近の噴火でできた溶岩ドーム

オールドステーション Mile 1377.9

ハットクリークのキャンプサイト1373.9からクリークに沿って4マイル下るとトレイルはカリフォルニア44と89の合流するオールドステーションの近くを通る。オールドステーションのジャンクションには、「ウエルカムPCTハイカー」と、シャワーやキャンプなどを勧める看板があった。RVパークを横切ると小さな郵便局と食料雑貨店がハイウェイの脇に並んで建ち、食料雑貨店はRVパークのオフィスのようだ。今日は日曜で郵便局は開いていない。日曜にここを通過するため私たちの荷物は、3マイル先のJJ’Sカフェに送ってある。ハイウェイを行けば近いので、ヒッチハイクを試みたが車は止まらず、またトレイルにもどる。

JJ’S(ジェイジェイズ)カフェ Mile 1380.6

1380.6のダートロードと交差するところにJJ’Sカフェの看板があり、左に折れる。ハイウェイが近くなるとガスステーション(ガソリンスタンド、コンビニあり)が見える。カフェはその隣だった。店内は朝食の時間で、ほぼ満員。忙しそうだったが、私たちの荷物を2階の部屋から運んできてくれたり、ハットクリークの水だと自慢気に外の水道場の使い方を教えてくれたり、また、必要な物があったらと、ハイカーボックスを持ってきてくれた。私たちは、外の一番隅の席でリ・パッケージ(余分な包装を取り、ジップロックなどに詰め代える)する。店にはWi-Fiがあり、店内のアウトレットで充電もできた。パッキングが終わってから朝食を頼んだ。フレンチトースト、パンケーキ、ベーコンエッグなどだ。ハイカースペシャルらしくボリューム満点。食べきれない量だった。

JJ’s カフェ
2日分の水と5日分の食料ではちきれそうなパック

ットクリーク・リム

10時30分過ぎ、重いパックを背負いJJSカフェを後にした。ハイウェイ44を超えるとハットクリーク・リムへの登りで、その頃、暑さが一番厳しい時間帯に入る。登り切ったハイウェイのパーキングで日陰を探したがないので、ピクニックテーブルの下で休んだ。展望台からは南に昨日より小さくなったラッセン火山が、そして、北にはマウント・シャスタが初めて見えた。ここから20マイルは、左手にハットクリークとバレーを見下ろしながら、小高い切り立った丘のへりを歩く。

ハットクリーク・リムから クリークのフロアとマウント・シャスタ遠望
ハットクリーク・リムから振り返るとラッセン火山が見えた

丘には木々に囲まれた森があったり、見通しがよい草原があったりで、退屈しない。ただ、午後になって暑さはさらに厳しくなり、時々木陰に入って休んだり、谷から風が吹き上げる場所では立ち止まって休んだりした。

6時を過ぎて草原の中でテントが張れそうな広さの場所を見つけてキャンプした。食事の後、ドリップコーヒーを入れる。一日が終わり沈む夕日を見ながら飲むコーヒーは格別だ。

ハットクリーク・リムの日の入り

ウォーターキャッシュ

翌日、ゴスホックの地図に載っていた1397.9のウォーターキャッシュでひと休みした。ここは林道の脇の木陰に柱を立て、シートを屋根にし、枝を集めて壁にしたシェルターだ。ハイカーが数人休むのに十分な日陰ができている。水は1ガロン(4リットル)のタンクが15くらいあった。椅子もあって、そこに座って水を飲み、水筒にも入れた。ゴスホックに載っているくらいだから何年も続けているのだろう。林道からここまで20mだが、水を運ぶのは相当な労力がいる。私たちは管理してくれている人にありがたく思いつつオアシスを後にした。

ハットクリーク・リムのウォーターキャッシュ

午後はリムを離れ、疎林と牧場の草地を歩く。時々牛がトレイルにいて、ばったりと出会う。我々もびっくりするが、牛の方が慌てて土煙をあげて走り出す。彼らの方が図体も大きくて数も多いのに、その時の驚きようは大げさすぎる。彼らはよほど私たちが怖いものだと思っているのだろうか。

暑さ以外は快調だが、かかとに豆ができたようだ。靴を脱いでみると大した豆でなく、歩くのが大変なほど痛くならなかった。多分昨日から急に重くなった荷物が原因だと思う。豆は、妻のほうがひどく、ばんそうこうや豆パッドをあててないと歩けないほどだ。

ハットクリーク・リムより望むマウント・シャスタ

養魚場

1411.5に発電所と養魚場があった。養魚場にはきれいな芝生とピクニックテーブルやトイレ、ごみ箱があった。キャンプしてもよいか聞こうとだれもいないし、看板にもキャンプ禁止と書いていない。トイレも、たまに釣りに来ている人が使うくらいだ。なんとなくキャンプは無理かも知れないと思いつつ、水やきれいなトイレはあるし、テーブルはあるしと、ここで泊まることにした。私たちは洗面所で洗濯をしてピクニックテーブルで食事をした。パイパーズマムのハイカーボックスでもらったガス缶を使い終わり、ここのごみ箱に捨てた。うす暗くなってからテントを張って寝る。

午前3時ころ、車が一台入ってきた。どうやら警備員らしい。私たちに向かって、「ここはキャンプできない。」という。私が、「今出ていかなければだめか。」と聞くと、「日の出までに去れ。」という。キャンプは禁止だけど、日の出前に立ち去ればOKということで、ハイカーに配慮した寛大な処置だと思う。警備員が去って私たちは再び寝込み、日の出前までに起きたが出発は日の出の後になってしまった。7時頃に養魚場の職員が来て池で作業を始めたが私たちには何も言わなかった。