ベアキャニスター区間

ベアボックス
ベアキャニスター 一般的に使われているもの 左には4~6日分、右には2~4日分の食料が収納できるとされている(個人差あり)

ベアボックス利用でキャニスター1個に

セコイア・キングスキャニオンとヨセミテ国立公園のバックカントリーでは、キャンプをするハイカーにベアキャニスターの使用を義務付けている。これは、人間の食料を熊など、野生動物に与えないためのもので、それまで食料をテントで保管してきたPCTハイカーもヨセミテ国立公園を出るまで、ベアキャニスターを使わなければならない。ハイカーにとって、キャニスターは重くてかさばり、普通4〜5日分の食料しか入らない。しかも、ローンパインからバーミリオン・リゾートまで9日位かかる(春の終わりから夏の初めの、峠に雪が残る時期)、この間は車道と接する箇所はなく、町に行くには1日かかる。キャニスターが2個あれば問題ないが、重くてかさばり、買えば70ドルと安くない。そこで、セコイアとキングスキャニオン国立公園のPCTに備え付けのベアボックスを使い、キャニスターを1個ですませる方法を紹介する。ベアボックスは鉄製の食料保管庫で、PCTに沿った12のキャンプサイトにある。峠に雪が残る時期を想定し、歩く距離を短めにした踏破プランを紹介する。

1日目。ホースシュー・メドウスからコットン・ウッドを経てPCTに戻り,最初のキャンプ地をロック・クリーク760.6にする。クリークを渡る手前にベアボックスがあり,キャンプサイトも広い。(THから12マイルくらいなので,余裕があれば,6マイル先のクラブツリー・メドウまで行く。ここにもベアボックスがある。)

2日目。ロック・クリークから14マイルのタインダール・クリーク774.2と774.9にベアボックス。(1日目にクラブツリー・メドウ766.3まで行ければ,2日目はフォレスター・パスを超えてバブズクリークの最初のベアボックス786.4まで行くことが可能だ。)

3日目。フォレスター・パスを超え、トレイルの左手のバブズ・クリークに沿って下るとビデッド・メドウ。ベアボックスはビデッド・メドウの786.1と787と787.1の3カ所にある。2017年7月3日に787のベアボックスを使ったら、翌朝スタッフサックとトレイルミックスの入ったジップロックにひっかかれたような穴が開いていた。どうやらネズミなどの小動物が侵入して、トレイルミックスのナッツを食べたようだ。ご注意を。

4日目。グレン・パスを超え,ウッズ・クリーク800に最後のベアボックス。ウッズ・クリークの手前のアローヘッド・レイクやミドル・レイ・レイクにもベアボックスはある。

5日目。ピンショット・パスを超え,マーサー・パスの手前でキャンプ814~815。残り4日分の食料はキャニスターで保管する。キャニスターには、5日目までのごみ(空袋)も入れなければならない。

6日目。マーサー・パスを超え,830.7のレ・コンテ・キャニオンでキャンプ。3日分の食料はキャニスター保管。

7日目。ミューア・パスを超え,エボリューション・レイク844でキャンプ。2日分の食料はキャニスター保管。

8日目。863.6サリーキーズ・レイクス。ミューア・トレイル・ランチに立ち寄るなら857.5で左に折れる。ミューア・トレイル・ランチは,リサプライ品を指定したプラスチックのバケツに入れるなど,パッケージの送り方が細かく定められている(ウェブサイト参照)。ランチの店では,ガスカートリッジは置いてあるらしいが,食料品は置いてなかった。タイミングがよければ、ハイカーボックスの食料が手に入るかも知れない。地図に示された近くのホットスプリングスは,日本の露天風呂とはまったく違う池のようなものなのであまり期待しない方がよい。食料はキャニスター保管。

9日目。セルダム・パスとベアリッジを超え,878.7でバーミリオン・リゾートへのジャンクションへ。エジソン・レイクからバーミリオン・リゾートまで午前と午後(ゴスホックの資料では,9:45と16:45)にフェリーの便がある。船着き場は湖の水量によって違うので注意。バーミリオン・リゾートでは、有料(27ドル)でハイカーのパッケージを預かってくれる。また、キャンプグラウンドや食料品店がある。

バーミリオンから先のウィルダネスには、ベアボックスはないが、それぞれの距離は短い。バーミリオンから、レッズ・メドウスまで2〜3日、レッズ・メドウス〜ツォルムン・メドウス間は3日、ツォルムン・メドウスからソノラ・パスは、5日で歩ける距離なので、キャニスター1個で足りる。