スティーブンス・パス

スティーブンス・パス2476.1

スティーブンス・パス ノースのトレイルヘッド

2016年7月8日。シアトルからバスに乗り,お昼前にスティーブンス・パスに降り立つ。2015年の山火事で通れなかった最後の200マイルを歩くためだ。シアトルからどんより曇った空も、バスがベァリングの町を通過するときは、本降りの雨になった。「雨の中を歩くのか」と、気が重くなったが、スティーブンス・パスでは、雨はやんでいた。

どんよりと曇った中,トレイルを登って行くと高い所にはかなり雪が残る。初日のテントサイトのそばにも雪が残る。すれちがったハイカーに天気のことを聞くと,4日のうち3日は雨だという。私が,この区間を歩いた11日のうち,雨が降らずに快晴だったのは,スティヒーケンへ着いた日とスティヒーケンからトレイルに戻った日だけだった。残りの9日は,たまに青空がのぞく程度で,ほとんどが曇り時々雨だった。雨は冷たく,小雨か霧雨が多く,激しく降ることは少ない。上下ともゴアテックスのレイン・ウェアで体まで濡れることはなかったが,靴は濡れっぱなし,毎朝濡れた冷たい靴下をはくのがおっくうだった。

初日のテントサイト 2487.5
3日目の朝 雨と霧と雪

ピアー・レイクでわずかに青空が見えた

私がここを通過した7月上旬は,出発したばかりのサウス・バウンダー(南行きのPCTハイカー)によくすれ違った。立ち話をして,この先のトレイルコンデションを教えてもらった。彼らから聞いた情報は,天候,スティヒーケンへのバスの時刻,峠道の雪の量や倒木の有無など。ハイカーのほとんどは,クランポンやアイスアックスを持っていない。峠には雪が残っていたけど,ランニングシューズで大丈夫だったと自慢げに言う。私自身も雪の道具は何もなく,滑りそうな雪の急斜面は迂回した。

トレイルは雲の中。サウスバウンダーを発見(クリックで拡大)

雪の峠道では,一番困ったことは雪に覆われてトレイルがわからなくなることだった。雪の上では足跡をたどるが,その足跡が消えかけていたり,いろいろな方向へついていたりする。雪に覆われた先を確かめようとしても,霧や小雨でよく見えない。そんな時頼りになったのは,iPhoneとゴスホックの地図だった。迷った時,取り出して現在地を確かめると,トレイルの位置を正確に教えてくれる。誤差もわずかだ。この機器がなかったら、霧と雪の峠道は超えられないだろう。

雪に覆われたトレイルで足跡をたどって進む
霧の中、足跡が消えていたらGPSとゴスホックが頼りだ