ダンスミューア

待合室の壁画 古きよき時代のダンスミューアを描いているようだ 背景はシャスタ

ダンスミューアは、PCTから北に5マイルの小さな町。小さいがアムトラックの駅があるので、PCTのセクションハイクの起点や大都市に向かうために便利な町だ。私たちも、ここからサクラメントに向かい、しばし休息をとることにしていた。そのアムトラックの駅や乗り方が日本とずいぶん違ったので記すことにした。鉄道を利用しないハイカーは、5号線のアンダーパスの先2マイルにある小さな町Castellaの方が便利だ。そこには、郵便局があり、パッケージを受け付けてくれるマーケットは、ゴスホックの書き込みではハイカーにスーパーフレンドリーだという。

ダンスミューアの町に着き、最初にアムトラックの駅に行った。駅には線路が何本もあり、周りに倉庫らしき建物はたくさんあった。駅舎もあり、手前が待合室でその奥は鉄道博物館になっていた。ただ、駅員はどこにもいないし、切符を買うような窓口もない。待合室に公衆電話とアムトラックの電話番号が書いてあったので電話する。サクラメント行の次の便は、翌朝の午前0時40分。1日1本しかない。クレジットカードの番号を言って予約する。オペレーターは、私に確認番号(Confirmation Number)を教え、乗車時に車掌にその番号を告げるようにと言った。

出発時刻が近づくと、車やタクシーで客が集まりだす。20人ほどの客が集まる。列車がほぼ予定通り入ってくると、車掌が先に下りて踏み台を出す。この駅にホームはなく、直接線路の高さに下りる。客の中には、ハイカーのようなバックパックを背負った若者もいた。
列車への乗り方は興味深かった。最初に寝台車に乗る客が呼ばれた。その客が乗ると、車掌は無線で連絡。列車が3両分動いて止まる。そこで車掌はコーチ(普通の座席)に乗る客の名前を呼んだ。私の名前呼んだ時、「57番です」と、座席番号を教えてくれた。

列車は午前5時半頃にサクラメントに着く。車でも休憩時間を含めて5時間ほどだから、変わらない速度だ。真夜中で景色が見えないのは残念だったが、列車の乗客は少なく、座席もゆったりとして快適であった。少し眠ったかと思うと車掌が肩をぽんとたたき、「30分でサクラメントです。」と教えてくれた。