サウザン・ターミナス

サウザン・ターミナス(トレイルの南端)のモニュメント
国境のライン 右がメキシコ

サウザン・ターミナスは、カリフォルニア南部メキシコ国境に接する小さな町「カンポ」にある。国境のフェンスの手前に立つモニュメントには、「SOUTHERN TERMINUS PACIFIC NATIONAL SCENIC TRAIL」「MEXICO TO CANADA 2627 MILES」と記されている。

PCTの標識

カンポ Campo

カンポはメキシコ国境沿いの小さな町。州道94号線をドライブしても,大きなスーパーは見当たらず,コンビニ兼ガソリンスタンドがあるだけ。ゴスホックのガイドには,郵便局と食料雑貨店が ハイウェイから少しはいった所にある。そのカンポの郵便局から1.5マイル南にPCTのサウザン・ターミナス(南端)がある。モニュメント(記念碑)の奥は,有刺鉄線のフェンスと鉄製の高い壁。その間にパトロール用の道路があり,国境警備隊の車両(4輪駆動車や三輪バギー)や騎馬隊が頻繁に出入りする。国境の辺りは灌木の山で、牧場らしき草地もある。道路は舗装してなく,車が通ると砂埃が立ち上る。この景色を見ただけで、乾燥地帯を歩く厳しさを感じる。

国境のフェンスに平行している砂地の道は、侵入者の足跡を見つけやすくするためだろう。カンポの外に出る道路に検問所があり、車は一時停止しなければならない。私たちも不法入国者と間違われるのではと心配したが、一度もチェックされなかった。

国境をパトロールする警備車両

モニュメントをバックに写真を撮っていると,出発準備をしていた若い女性のハイカーが「写真撮ろうか」と,こちらが頼む前に近づいてきてシャッターを押してくれた。彼女は,祖母と母親らしき二人に見送られ,我々より一足早く出発した。

祖母と母に見送られて出発する女性ハイカー 彼女とは8月にワシントンで再会する

PCTの全行程でその日の水の確保に気を使う。乾燥したこの辺りでは4月でも日差しが強く水を多く飲む。最初の頃は水がどのくらい必要かわからなくて失敗する。水は重いので余分に持ちたくないが,慣れるまでは大目に持っていたほうが安心だ。

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レイク・モレーナ

最初の水は,20マイル地点のレイク・モレーナで、キャンプ場とグロッセリィ(食料雑貨店)がある。20マイルは一日で歩ける距離で、朝出発したら、夕方にはたどり着けるが、出発が遅くなれば、翌日までの水を持たなければならない。


ラグーナ・マウンテン ロッジ&ストア Mile 41.5

モレーナを出ると,25マイル地点の80号線を横切る手前,ボルダ―・オークスキャンプ場にある水道の蛇口が,ラグーナ山のきつい登りに備えた最後の水場である。ラグーナ山を登り切り,41マイル地点のパインハウス・カフェかバーント・ランチェリアキャンプ場までたどり着けるならば水はさほど持たなくてよい。ゴスホックの地図にこのキャンプ場のコインシャワーが紹介されていたが,営業は5月からだという。シャワーを使いたければ,郵便局と食料雑貨店から4マイルほど先にマウント・ラグーナ・キャンプ場がある。ハイカー用の割安のサイトがあり,コインシャワーもあったがお湯はぬるかった。PCTを離れて歩くなら郵便局の奥から近道があり,また47マイル地点の展望台からトレイルに戻れる。マウント・ラグーナの郵便局とストアは、最初のリサイプライ(補給)ポイント。郵便局もストアも同じ建物にあり、どちらにでも送れるが、郵便局は日曜休みで、土曜日も11時までだ。近くにギアショップもある。

ラグーナ山から見た国境付近の灌木地帯と80号線
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ラグーナ山のトレイル
ラグーナ山の山並み