ワーナー・スプリングス&マイクズ・プレイス

コミュニティ・リソース・センターに掲げられたハイカー歓迎の垂れ幕 ワーナースプリングス

ワーナー・スプリングス109.5

*地名のとなりの数字はGUTHOOK’S HIKING GUIDESに記されているサウスターミナス(カンポ)からの距離(マイル)

ワーナー・スプリングスは、70号線の小さな町。4月と5月はPCTハイカーに町の施設を開放し、飲み物(水、レモネード、コーヒー)と軽食(クッキーやオレンジ)、洗濯やシャワー、郵便局までのライド(車に乗せる)を提供してくれる。

シザーズ・クロッシングから山に登ると日が昇り始めた

シザーズ・クロッシングから再び登り。カリフォルニア南部には、なだらかな乾燥地帯をイメージしていたが、高い山ではないが、登り下りを繰り返す。ハイウェイは眼下の平地にあるが,トレイルは、CREST(頂上)を行く。

シザーズ・クロッシングを過ぎた山で見つけたサボテンの花(のようなもの)

100マイルを過ぎたワーナー・スプリングス・メドウスからワーナー・スプリングスを過ぎる110マイル付近までは、大草原の彼方へ続く一本道を歩く爽快感が味わえる。

大草原の一本道 ワーナー・スプリングス・メドウス
70号線を横切るとワーナー・スプリングス・コミュニティ・リソースセンターがある。中に入ると、十数名のハイカーがテーブルを囲んで雑談していたり、年配の方々が絵を描いていたりした。ここは社会学習センターのような施設で、ノースバウンダーがよく通る4月と5月は、ハイカーに休憩の場を提供している。施設内には、コーヒーやレモネード、クッキーやフルーツが並べられ、シャワーや洗濯機を使えるようにしたあった。敷地の隅の木陰に、小さなテントがいくつか張られていたので、テント泊もできるのだろう。また、ゴスホックの資料では、コミュニティ・センターの人たちは、ここから郵便局まで(往復2マイル)車を出してくれるという。

ワーナースプリングスを出た日の夕方115マイル付近のクリークで水を汲んだが,登りなので半分捨ててしまった。ゴスホックの地図では,119マイル地点のテントサイトの近くにロースト・バレー・スプリングがありreliablewater(確かな水)と記されていたからだ。

テントサイトから300m離れたその泉に行ってみると、表面に油と虫が浮いた水が桶のような箱に少しあるだけで、飲めそうになかった。その辺りを探しても湧き水らしきものはなかった。水を半分捨ててしまったことを悔やんだが,半分捨てなかったことは幸いであった。次からは,ゴスホックの資料の水場の情報だけでなく,ハイカーのコメントをチェックすることにした。

マイクズ・プレイス127

127マイル地点のトレイルから0.5マイル離れた所に,大きな水のタンク。その奥にトレイルエンジェルの家「マイクズ・プレイス」がある。電気も水道もない所に住んでいるマイクさんは,ハイカーのためにビールや炭酸飲料を用意してくれている。離れのキャビンに泊まることもできる。食事も用意してくれると言うが,私は十分な食料があり,炭酸飲料を一缶もらいデッキを使わせてもらってフリーズドライを調理して食べた。

マイクさんの家で一休みするハイカー
マイクさんの家の貯水槽(トラックで運んでもらった水を入れるタンク)

マイクさんの家の道路側に大きなタンクがある。ここには、水道も井戸もない。そのタンクに水を運んでためておくのだ。自分でトラックに積んで水を買ってくるのか、あるいは、タンク車で運んでもらうのだろう。いずれにしろ水は貴重だ。その貴重な水をハイカーに提供してくれてありがたいと思う。マイクさんの家にあったドネイション(寄付)の瓶に10ドル入れてトレイルに戻る。寄付をする義務はないが、旅費に余裕のあるハイカーはトレイルエンジェルに感謝の気持ちを表すだけでなく寄付をして活動に協力する。私は、休憩させてもらったら10ドル、宿泊させてもらったら20ドルを寄付した。

あてになる水があるとされていたナンシィ・キャニオンのクリークは、まったくのドライで、水は一滴もなかった。私は、昨日の失敗にこりてマイクさんの家で水を5リットルもらい、途中で味噌汁をつくるなど、水を飲めるだけ飲みながら歩いていたので、クリークが渇いていても何も困ることはなかった。その日はナンシー・キャニオンを過ぎた丘の上でキャンプ。見晴らしがよく、月と星がよく見えた。

ナンシー・キャニオンを過ぎた丘の上でキャンプ
140マイル付近にあったウォーター・キャッシュ

翌朝林道と接する所にウォーターキャッシュ(水の補給所)1ガロン(3.9リットル)の水のタンクをいくつも並べた棚があった。トイレル・エンジェルがハイカーのために用意してくれたものだ。