エミグラント・ウィルダネス

ドロシー・レイク・パス Mile 997.9からヨセミテ方向を振り返る。峠の標高は2909m

ドロシィ・レイク・パスはヨセミテ・ナショナルパーク(国立公園)とスタニスロース・ナショナルフォレスト(森林公園)の境。ナショナルフォレストよりナショナルパークの方が,規則が厳しく,ヨセミテ側の標識には,NO WEAPONS(武器禁止)とある。これは国立公園では,狩猟禁止を意味し,ナショナルフォレストでは,秋から冬にかけて狩猟のシーズンがあるということだ。また,ナショナルフォレストのウィルダネス(一般に車道から奥まったキャンプに許可が必要な区域)では,犬などペットを連れて行けるが,ナショナルパークではペットはウィルダネスには入れない。しかし,馬やミュールMULE(ラバ=雌馬と雄ロバの雑種),ラマはストックSTOCK(家畜)として入山可能で,乗馬や荷物の運搬に使える。パーミットにもストックの数を記入する欄がある。

ケネディキャニオンの森を抜けると開けた稜線と,幅の広いトレイルに出る。トレイル・ジャンクション1008.1を右に行くとPCTで,左に行くとビッグサムBig Sam 3299mを超えてエミグラント・ウィルダネスに入る。車が通れる道幅があるのは,エミグラント・ウィルダネスのモンテスマ鉱山(廃坑)への道路があったからだ。
ビッグサムの頂からは,エミグランド・ウィルダネスの4つの湖が一望できる。私たちのウェブサイトnoriandhiro.comのホームページの写真になっていて,「拡大写真」をクリックするとビッグサム山頂の360度のパノラマが楽しめる

ビッグサム
ビッグサム3299mからエミグラント・ウィルダネスを眺める

ソノラパスに向かうトレイルは、右側(東)がスタニスロース・ナショナルフォレストで、左側(西)がエミグラント・ウィルダネスだ。エミグラント・ウィルダネスは,ヨセミテの北に接する自然保護区で,パーミットは必要だが,入山枠がないため,希望する日に希望するトレイル・ヘッドから入山できる。もちろん予約のシステムもない。しかも,湖や風景の美しさはJMTの湖や峠からの風景に劣らない。また,ベアキャニスター携行の義務はない。「なぜ」と,レンジャーに聞くと,以前は「熊はいない」と答えていたが,今年は「熊はいるが少ない」と言い「熊とのトラブルはない」と付け加えた。日本人ハイカーのトレイルエンジェルをしているテッドさんによると,訪れる人が少ないからトラブルがないのだという。人が少ないために熊が人に慣れず,近づくのを避けるためだろう。

Mile 1008.1のJCTをエミグラント・ウィルダネス(ビッグサム)方向へ

このトレイル・ジャンクションからエミグラント・ウィルダネス方向に0.5マイルで,川底から泉が湧くケネディ・クリークの源流と,木立に囲まれたテントサイトがある。ソノラ・パスへの最終キャンプとして,この先のラトピエ・レイク1013と共にお勧めの場所だ。

Mile 1008.1のJCT(トレイル・ジャンクション)から0.5マイルでケネディ・クリークの源流

1010のレベット・レイクへのジャンクションからは,広大な山の斜面を横切る一本道で,トレイルは左側に連なるエミグランドの山々より高く,山を見下ろしながら歩いていると,空に向かっているかのように感じる。

広大な斜面を横切る レベット・レイクJCT Mile 1010~1011

*エミグラント・ウィルダネスの詳細は、http://noriandhiro.comのウェブサイトで

ソノラ・パスへ レベット・レイク・ジャンクション Mile 1010
ラトピエ・レイク Mile 1013.3の周りにはいくつもテントサイトがある。